2025-01-01から1年間の記事一覧

こんなところに「ヤクヤモリ」

動物の分布を調べていると不思議なことがたくさんある。 鹿児島県付近にしかいないヤクヤモリの発見もそのうちの一つである。 九州本島と近くの島々には5種のヤモリの仲間が生息している。 そのうちの4種が長崎県に分布しているのだ。 長崎県のヤモリ類の調…

「招霊木」と書くオガタマノキ

オガタマノキという名前を知ったのは、40年ほど前、多良岳によく調査に行っていた頃だった。 車でいろいろな道を通っていると、日本一の巨樹オガタマノキという立て看板と矢印が示してあった。 植物にはほとんど興味がなかったが、何となく行ってみると、素…

分布を拡大する「ヌマガエル」

ヌマガエルは長崎県で最も普通に見られる小型のカエルである。 水田が主な生息場所だが、乾燥に強いため、畑地・草原・河川敷などのいろいろな場所で生活できる。 長崎県内のどこででも、茶色の小さなカエルを見たら、ほぼヌマガエルと思ってよいだろう。 そ…

「アリジゴク」の解釈もいろいろ

私は、長崎ケーブルメデイアの「なんでんカフェ」という番組の中で、「かえる先生のいきもの交遊録」という一つに関わっている。 月一本の出演で、17分程度の生きもの関係の生番組だが、高校教諭を退職した年からなので、15年続いている。 昨年からふた月に…

森の住人「アカネズミ」

ネズミといえば天井裏や床下を走り回り、暗く不潔で病原菌のかたまりのように思われがちだが、日本では、家に侵入するネズミはネズミ界のほんの一部にすぎない。 大部分のネズミが森林や草原で人目につかずひっそりとたくましく生活する野ネズミである。 長…

ヘビと名前のつく「ニホンカナヘビ」

野外観察の時、ニホンカナヘビ(カナヘビ)という名前を紹介すると、「ヘビなのに肢があるんですね」と言われる。 まぎらわしい名前がつけられているが、れっきとしたトカゲの仲間である。 カナヘビは、しっぽの長いスマートな体型で、全長20cm程度になる。 …

お腹の赤は警告色-アカハライモリ-

井戸に棲み、井戸を守ることから名付けられたという『井守(いもり)』はれっきとした両生類。 家にすむ家守(やもり)の爬虫類とは違う。 両生類のアカハライモリ(平戸市で撮影) 爬虫類のニホンヤモリ(西彼杵郡長与町で撮影) 正式名称『アカハライモリ…

里の愛嬌者「タヌキ(狸)」

「げんこつ山のたぬきさん・・・」や「たんたんたぬきの・・・」の歌でおなじみの『タヌキ』は、人にとってなじみ深い里の獣の代表といえるだろう。 けものへんに里とかく「狸」、本当にそうだなと思う。 短大での講義中に、本物のタヌキを見たことがあるか…

ほのぼのとした「カエルの結婚式」

今回は、生きたカエルではなく、フィギアを使った「カエルの結婚式」である。 4回目にもカエルのひな祭りを紹介したが、第二弾と思ってもらいたい。 この作品は、2018年の長崎女子短大弥生祭への出品作である。 笑顔いっぱいの新郎新婦、威厳のある神父さん…

くさい臭いを出すから「クサガメ」

クサガメの名前の由来が本当にくさい臭いを出すからと理解したのは壱岐の島で調査中のことであった。 捕獲したクサガメを車に乗せての運転中、突然の異臭に、急ブレーキを踏んだことがある。 他では嗅いだことがないこの臭いは、「若葉が腐食したような青く…

夜には寝てしまう「ネムノキ」

植物のことは全く分からないのだが、好きな樹木がたくさんある。 その中でも、一番好きなのが「ネムノキ」である。 昭和40年代の大学生の頃、美智子上皇后が高校生の時に作詞した「ねむの木の子守歌」という歌を聞いたことがある。 また、同じころ、歌手の宮…

せせらぎの歌姫『カジカガエル』

梅雨の季節、田んぼではカエルの合唱が聞かれるようになってくる。 その歌声は「ケロケロ」「ゲロゲロ」「コロコロ」「モーモー」とさまざまだが、みなさんは渓流に生息する『カジカガエル』の鳴き声を聞いたことがあるだろうか。 渓流のカジカガエル(東彼…

トンネル掘りの名人-モグラ-

田んぼや畑、山道を歩いていると、土が盛り上がって小さな山になっているものを見かけることがある。 それは、坑道(地下のトンネル)を掘るときに出た土を地下から地上に捨てたもので、モグラ塚(図1)と呼ばれている。 図1.モグラ塚(南島原市) この塚…

「ひらくち」とはマムシのこと

今回もヘビの話。苦手な人も多いと思うので写真はすべて下の方にまとめてみた。 「ひらくち」という動物を知っているだろうか。 長崎で使われている方言で、有名な毒ヘビ「マムシ」(図1・2・3)のことである。 「ヘビ」という名称は関東地方で使われてい…

幻のカエルになりつつある「トノサマガエル」

『トノサマガエル(殿様蛙)』、いい名前だなと思う。 その立ち姿は、背筋をピンと伸ばしてゆったりとした貫禄、本当に偉そうに見える。 まさに名前の通りだと感心してしまう。 サイズも体長10cm前後と大型でかっこいい。 近年はその大きさの個体を見ること…

心の癒しに「カエルのひな祭り」

福岡教育大学在学中にカエルの研究室に入り、カエル研究と同時に、先生の影響を受けてカエルグッズも集めるようになった。 当時のものはあまり残っていないが、高校の生物教員になってからも収集は継続してきたので、かなりの数が集まり、今ではそのほとんど…

幸せを呼ぶ「コウモリ」

長崎の町では夕方から朝にかけ多くのコウモリが飛翔している。 5月から10月ごろまで、夕方の空を見上げて欲しい。 ツバメとは明らかに異なるヒラヒラとした飛び方、アブラコウモリ(イエコウモリ)である。 部屋に入り込んだアブラコウモリ(西彼杵郡長与町…

家の守り神だった「アオダイショウ」

今回はヘビの話をしたい。苦手な人も多いと思うので写真についてはすべて下の方にまとめてみた。 ある高校に勤務していた時、用務員の人が、配電盤の中にマムシ(図1)がいると飛んできたことがある。 マムシがそんな所にいるはずがないと思いながら見に行…

古池や かわず飛び込む 水の音

松尾芭蕉の有名な俳句に「古池や かわず飛び込む 水の音」という句がある。 「かわず」とはカエルのことだが、カエルの調査をしていると句の雰囲気からカエルの種類が何となく分かってくる。 人が歩いてきた時、驚いて池にポチャンと飛び込むのは、多分『ツ…