県内全域を制覇した「イノシシ」

 長崎県ではほとんどの地域がイノシシの被害に苦しんでいる。

県本土は、都市部を除いてイノシシのいない場所はほとんどなくなった。

五島列島や平戸、対馬などの島々も同じ状況で、イノシシのいない島はないと言っていい状態である。

唯一、壱岐の島だけ例外だが、時々は近隣の島々から泳いで渡ってくることがあるそうだ。

離島の大きな島や県本土の周辺の有人・無人の島々も同じで、過疎化の進む小さな有人島は、集落を囲む柵の中でしか生活できないような場所もある。

 

 イノシシは本来用心深く、人前に出ることはあまりないと言われていた。

しかし、昨今のイノシシは新世代の個体なのか、人前にも堂々と出てくることがある。

私の勤務している長崎市弥生町にある長崎女子短大でも周りにある森の中から出現した個体を目撃しているし、明るいときに写真撮影も可能であった。

 

 多くの人たちが身近な野生大型動物として認識しているイノシシ、今まで撮影できた写真の中からいくつかを紹介したい。

山の中で出会うと恐怖感も感じるが、写真で見ると意外とかわいい面も見える。

そんな写真を選んでみたので楽しんでいただきたい。

 

(1)子育て中のイノシシ(2020年9月、東彼杵郡龍頭泉で田中さんが撮影)

 道路わきの草地で子育て中、母イノシシは撮影者をジーとみつめたそうだ。

 

(2)微笑むイノシシ(2015年6月、大村市に設置した自動撮影カメラで撮影)

 自動撮影カメラの設置位置を低くして、下からのアングルにしてみると微笑んでいる顔が撮れた。イノシシの笑顔はそうそう撮れることがないので自慢の一枚になった。

 

 

(3)うり坊はかわいい

 イノシシのうり坊(子供)と出会う機会は多い。近づいてみたいがどっかで母親がにらんでるかと思うと遠くから写真を撮るしかない。そんな気持ちで撮った写真だが、うり坊は本当にかわいい。

 1999年6月に長崎市神浦で撮影した。

 

 2019年7月に多良岳にある金泉寺で撮影した。

 

(4)ブタのおっぱいを飲むうり坊(2003年6月、西海市西彼農業高校で撮影)

 生徒が朝から一匹のうり坊を抱いて登校した。登校途中で拾ったそうだ。畜産の先生が引き取り、ちょうど子育て中の母親のおっぱいに吸いつかせたら必死に飲んでくれたとのこと。その話を聞き、豚舎に駆け付け撮影した写真である。残念ながら長くは生きなかったと聞いたが、ブタはイノシシを品種改良したものだから違和感はないと思う。

 

 

(5)自動撮影カメラに気づき近づいて臭いをかいでいるイノシシ

           (2015年6月、大村市の山中に設置した自動撮影カメラで撮影)

 カメラが気になって近づいている。最後は、カメラに鼻をくっつけ臭いをかいでいるようだ。どの世界にも好奇心いっぱいの生きものはいるようだ。

 

 

 

(6)集団生活のイノシシ(2014年11月、大村市の山中に設置した自動撮影カメラで撮影)

 家族と思われる集団。5匹は子供どうしなのか母親が混じっているのか分からないが、何10枚も写っていた。

 

 

(7)長崎女子短大に出現したイノシシ(長崎市の短大構内で撮影)

 2022年10月、長崎女子短大構内で昼間に出現。この日は日曜日だったので学生はおらず、イノシシとしても安心していたのだろう。私が近づいても慌てて逃げることもなく、ゆったりとエサを捜し、ゆっくりと山に入っていった。お互いに恐怖感もなく(少なくともその時の私の気持ちはそうだった)じっくりと対面できた。声もかけてみたが無視されてしまった。

 

 2022年10月、長崎女子短大駐車場に出現。夕方近く、必死にエサを捜していた。ゆっくりと近寄り撮影したが、周りのことが目に入らないような感じ。ちょっと声をかけてみたら、顔をあげ、私を確認し、慌てて山の中に飛び込んでいった。慌てている姿がほほえましかった。

 

(8)昼間に山の中で出会ったイノシシ(2024年6月に西海市で撮影)

 長崎ケーブルテレビの取材で西彼杵半島県民の森に行った際、車を駐車し撮影の準備をしている時に発見した。駐車した場所から10mくらいの距離だが、草の中でジーとしていたようで、私が何も知らずに近づいていくと顔をあげた。慌てたり怒っている様子もなくゆっくりと顔をあげたので、こちらも慌てずにゆったりと撮影した。しばらくしてから、何事もなかったかのように道路を横断し森の中に歩いて行った。追いかけて様子を見たら、森の中からこちらを振り返っていた。なんていい子なんだろう。

 

(9)自動撮影カメラに写ったイノシシ

 2015年11月、大村市の山中に設置した自動撮影カメラで撮影した。

 

 2015年6月、大村市の山中に設置した自動撮影カメラで撮影した。


(10)ほかの動物とのコラボの写真

 2014年11月、大村市の山中に設置した自動撮影カメラで撮影した。エサを置いているので、先にいたタヌキが後から来たイノシシに追い払われたのか、後できたタヌキが食べたいけど近寄れないのか、想像するのは楽しい。タヌキのびっくりした顔がなんとも言えないいい写真と思っている。

 

 2014年10月、大村市の山中に設置した自動撮影カメラで撮影した。これまた、2匹のにらみ合い。でも、タヌキの方が後ずさりしてるように見える。

 

 2015年6月、大村市の山中に設置した自動撮影カメラで撮影した。

 イノシシの食べている餌場に近づくキツネ。姿勢を低くして警戒しながらの接近、エサまでもう少し。