長いブログ書きスランプから抜け出そうと身近な話題で一つ。
私は現在長崎女子短大幼児教育科に勤務している。
幼稚園や保育園の先生を育てる短大である。
短大なので2年間という短い期間だが、2年生では、週1回2コマ(3時間)のゼミの時間がある。
ゼミとは、学生の希望によって10程度の研究室のどれかを選択し、それについて深く学ぶこと。
今年の私のゼミ生は7名。
昨年の3名はちょっと少ないなと思ったが、一番多かった14名からするとちょうどいい人数である。
私のゼミの名前は「子どもと自然環境」、通称「カエルゼミ」である。
園に勤めてから役に立ちそうな自然遊びについて体験することを目的としている。
今回は、その中の一つ、生きものの飼育体験について書いてみたいと思う。
幼稚園や保育園の先生を目指す学生たちの大半は、生き物が大の苦手である。
私のゼミ生7名も同じ。
今年のゼミ生7名中、最初から我が研究室の主であるヒキガエルの「三代目ヒキ太郎」に触れたのは3名だけ。
残り4名のうち、2名は何とか克服し触ろうと努力しているが、2名は完全無視である。
卒業までに少しでも触れ合えるように育てることを目標にしているが、見通しは暗い。
第一希望で入ってきたのにカエルに触れないとは言語道断と心の中では思っている。
でも、少しでも生きものを克服したいという気持ちは大事にしなければならない。
研究室の主である「三代目ヒキ太郎」

生きものの飼育体験としては、オタマジャクシ(オタマ)とカイコの飼育を実施した。
今回は、オタマの飼育について書いてみたい。
週1回しかないゼミなので、オタマの飼育は大変である。
詳しい観察は週1回として、水替えとエサやりは毎日必要。
変態するまでの約3週間、毎日研究室に来てオタマの世話をすることを義務づけている。
研究室の前に一人3匹のオタマの入った容器を並べ、適当な時間に来て水替えとエサやり。
土日は誰も出てこないので私がやるしかない。
エサの方は、ホウレンソウを湯がいたものをこちらで準備しているので、ただ、スポイドで糞をすくって新しい水を入れ、準備したエサを与えるだけの1分もかからない作業である。
材料のオタマはシュレーゲルアオガエル。
短大の近くの市民の森の側溝が10年来のオタマの採集場所である。
ゼミ生を担当するようになってから11年目、オタマの飼育だけは毎年実施している。
飼育観察に使用したシュレーゲルアオガエルの成体

研究室前の廊下に設置した7名分の飼育容器(それぞれに3匹のオタマ)

採集してきたシュレーゲルアオガエルのオタマを自分の容器に入れているところ

容器中のオタマ(下に見える緑色のものはエサのホウレンソウを湯がいたもの)

各自のオタマを観察中(スケッチと全長計測)

5月の連休中にオタマを採集し、準備万端。
今年のオタマ飼育開始のゼミは5月8日。
自分好みのオタマを選び容器の中に。
スケッチや身長測定などを行う。
そして、エサやりや水替えなどの飼育の方法を話す。
就職後の園で、「チャンスがあったら飼育して欲しい」との願いを込めて詳しく説明している。
ある学生の記録によると、5月8日は全長23㎜(頭胴長+尾長)、1週間後には35㎜、2週間後には45㎜となり後肢が生え始めていた。
3週間後の5月29日は、全長は変わらないが、前肢も生え水中から陸上に上がる準備中。
肢が生えてくると、陸地のあるやや大きめの容器を準備する。
水だけの容器なら肺呼吸に変わった幼体が溺れ死んでしまうからである。
それぞれに小さな水槽に砂を入れ、肢の出てきたオタマを移し替える。
これで、オタマジャクシの飼育観察は終了となる。
ホウレンソウを食べているオタマ

後肢が生えてきたオタマ

陸地を作った水槽(肢が生えてきたら移し替える)

変態後の幼体(5月29日に撮影)

幼体の観察中(写真撮影やスケッチを楽しんでいる)

飛び出したしっぽの残っている幼体(歓声がすごかった)

手の上に乗せて幼体の写真撮影(スマホの待ち受け画面にしてくれないかなあ)

6月1日からは、2週間の幼稚園実習が始まる。
残念だが、飼育観察は終了するしかない。
変態後の幼体は、動き回る虫しか食べないので飼育は難しい。
多くは、私の方で採集場所に逃がしに行くのだが、今年は、4名の学生が育てた幼生または幼体を実習園に持って行きたいと申し出があった。
中には変態後も自宅で継続したいとのこと。
実習終了後に感想を聞くのが楽しみである。
ゼミ生を担当して11年目。
オタマジャクシの飼育体験は11年間継続している。
材料は、5月のこの時期に手に入りやすいシュレーゲルアオガエル。
変態後の小さな黄緑色の幼体の姿がかわいい。
手の上に乗せて写真撮影。
学生たちの嬉しそうな姿を見るのが楽しい。
たった3週間の飼育経験だが、オタマとして大きく成長し、やがて手足が生え、しっぽが短くなって小さなカエルになっていく変化は、生きものが苦手な学生にも興味津々のようである。
学生がしびれてしまった可愛すぎるシュレーゲルの幼体

私からすると、指導する私の方が本当に大変。
学生たちが学校に来る前に、エサや交換する水を準備し、学生の来ない土日は一人ですべてを世話している。
もし、死んだ個体がいたら気づかれないように新しいオタマを入れておく。
こんな苦労を学生たちは知っているのだろうか。
それでも変態したかわいい子ガエルを見て喜んでいる学生たちの姿を見ると苦労は吹っ飛んでしまう。
11年間、毎年、同じような想いで取り組んでいる。