壱岐(一支国博物館)でカエルの講演をしてきました

 2026年7月19日と20日、壱岐市にある一支国博物館でカエルの講演会を実施した。

19日は一般の大人の人を相手に、20日は子供相手である。

メインは一般相手の講演なのだが、翌日の子供相手の方がお客さんは多く大盛況であった。

 

一支国博物館(壱岐市芦辺町)

 

 今回で7回目の壱岐での講演会、2年に一度の定例講演である。

この講演を行うようになったきっかけは、15年ほど前、私が博物館に展示している内容に訂正を求めたことに始まる。

常設展示してある一支国の都・原の辻のようすを再現した大規模ジオラマ模型のなかの水田の稲作ゾーン。

水田の中にクサガメのフィギアが飾ってあった。

現在の壱岐の島ではクサガメが主流であり、ニホンイシガメを見ることはほとんどないので、クサガメを展示するのは当然のこと思う。

しかし、当時、クサガメは大陸からの外来種であり日本には生息していなかったということが定説になりつつあった。

 

クサガメ(1989年5月、壱岐市勝本町で撮影)

 

ニホンイシガメ(2016年6月、壱岐市で捕獲された個体)



 そこで、会場にいた解説員の人にその旨説明しニホンイシガメに変えた方がいいですよと提案した。

次に訪れた時、現副館長さんにその旨を詳しく説明したが、完成品なので一部修正は難しいかもしれないと言われた。

しかし、その後、クサガメがニホンイシガメに変えてあった。

後で聞いた話だが、交換には数万円かかったとのこと。

誰も大ジオラマの中のカメの種類など気にしないだろうに、よくぞ変えていただいたとびっくりしたことを覚えている。

しかし、今、よくよく考えてみると、大陸との交易が盛んであったろう壱岐原の辻のこと、大陸の方からクサガメが持ち込まれていても不思議ではないなと思ってしまう。

余計なことを言ってしまったとちょっとは後悔している。

しかし、このことをきっかけに講演を依頼されたのだから、壱岐での長きにわたる講演会はカメが取り持ってくれた縁である。

 

一支国博物館内の原の辻のようすを再現した大規模ジオラマ模型(2026年7月撮影)

 

大規模ジオラマの水田耕作ゾーン(2026年7月に撮影)

 

現在展示されている水田にいるニホンイシガメ(ここにクサガメがいた)



 第1回目は、2014年(平成26年)7月27日のこと。

「壱岐の動物」という演題で、壱岐の両生・爬虫・哺乳類について話をしている。

それからは2年に1回開催し、今年が7回目ということになる。

7回も話をしていると、話す新ネタはほぼない。

7回の演題を列挙してみると、2回目が「カエルとカメの世界」、3回目が「ヘビってかわいいよ」、4回目が「壱岐という島の生態系」、5回目が「かえる先生のカエルの話―壱岐の動物と生態系の未来―」、6回目が「調べることの楽しさ―新種ゴトウタゴガエルを発見して―」である。

 迷った挙句、今年の演題を「カエル三昧」として、カエル全般について話してみようと思った。

演題は、「かえる先生の『カエル三昧』の話」である。

会場には、次のようなポスターが掲示してあった。

 

博物館内に展示されていた講座ポスター

 

 苦心して選んだ講演の内容は次のとおりである。

読者の皆さんに気になる内容はあるだろうか。

  • カエルと文学(松尾芭蕉や小林一茶などの俳句を中心に)
  • カエルと音楽(カエルの合唱などの童謡を中心に)
  • カエルと美術(カエルグッズの世界)
  • 日本(長崎)のカエルの研究の歴史(シーボルト関係)
  • 壱岐の両生類
  • 壱岐のカエルの紹介
  • カエルの研究を継続してよかったこと(男女群島調査、軍艦島調査、福岡の沖ノ島調査などなど)

 講演時間はちょうど90分。

休憩なしに喋りまくった。

毎回来ていただいている人、たまたま来島した人、壱岐高校に勤めていたころの教え子などなど、来ていただいた方は67名にもなっていた。

舞台上から見ていても半分ほどの席が埋まっているように見えた。

話をしていて気持ちのよいやりがいのある気分にさせていただいた。

講演後には、毎回のことではあるが、次の日の子供相手用に連れてきた動物たちも見ていただいた。

 

講演中(2026年7月19日)

 

壱岐の両生類について講演中(2026年7月19日)

 

講演終了後の動物たちとの触れ合い(2026年7月19日)



 次の日の20日、午前10時から90分、子供相手の講演会である。

タイトルは、「いきはくサイエンス・カエル先生が今年もやってきた」。

参加者は78名であった。

今回は、動物クイズ大会と生きものとの触れ合いが中心である。

まずは、パワポを使っての説明。

動物クイズ用の話を中心に30分ほど。

話の後は、動物クイズ大会である。

〇×クイズ11問を行った。

正解の多かった上位の子供たちには博物館が準備してくれた景品もあった。

動物〇×クイズというのは本当に盛り上がった。

びっくりするほどである。

そして、最後はふれあいコーナー。

持参したのは、壱岐にも生息するニホンヒキガエル、シュレーゲルアオガエル、ニホンアマガエル、アカハライモリ、カスミサンショウウオ、アメリカザリガニ、コガタノゲンゴロウ。壱岐には生息しないものとしてマダガスカルオオゴキブリ、ウーパールーパー、そして、友人からお借りしたヘラクレスオオカブト、アトラスオオカブト、ニジイロクワガタなど5種である。

その中で、ニホンヒキガエル、マダガスカルオオゴキブリ、ヘラクレスオオカブトの3種を触れ合える動物とした。

3種とも大人気で、参加してくれたほとんどの子供たちが興味深く触れ合ってくれた。

触れ合いの一環として、ヒキガエルの食事シーンも見ていただいた。

餌はミルワームである。

当然のこと、大歓声であった。

 

子ども相手のいきはくサイエンス(2026年7月20日)

 

持参した動物コーナー(2026年7月20日)

 

ヒキガエルの食事シーンの見学(2026年7月20日)

 

ヒキガエルとの触れ合い(2026年7月20日)

 

 

 以上のようなカエルを中心とした講演会やカエルの授業などを年間十数回実施。

必ず本物を連れて行くようにしている。

ユーチューブの映像や本で見たことのある動物やシーンがたくさんあるようだが、本物との触れ合いは格別のもの。

子供たちの歓声を聞くと、カエルさんたちには申し訳ないと思うが我慢してもらうしかないと思っている。

今後も、本物にこだわっての話を実践していきたい。

 

 その日の夜、講演会に来ていただいた壱岐高時代の教え子4人と飲んだ。

そのうちの二人は、当時顧問をしていたソフトテニス部の生徒である。

50年ほど前のことではあるが、当時の思い出話に花が咲いた。

高校教師をしていてよかったなあとつくづく思ってしまう。