夜には寝てしまう「ネムノキ」

 植物のことは全く分からないのだが、好きな樹木がたくさんある。

その中でも、一番好きなのが「ネムノキ」である。

昭和40年代の大学生の頃、美智子上皇后が高校生の時に作詞した「ねむの木の子守歌」という歌を聞いたことがある。

また、同じころ、歌手の宮城まり子さんが創設した「ねむの木学園」という社会福祉施設のことも、教師を目指していたので気になった。

この頃から「ネムノキ」は大好きな木になり、今でも、初夏の6月にはその花に癒されている。

 

ネムノキの花と葉(6月に東彼杵郡で撮影)



「ネムノキ」の名前は、夜になると葉っぱが眠るかのように閉じて垂れ下がることから名づけられた。

ちなみに、オジギソウのように触っても閉じることはない。

 

夜に葉を閉じたネムノキ(夜9時ごろに長崎市で撮影)

 


葉の動きも面白いが、初夏に咲く花の美しさは格別である。

ネムノキの花は普通の花弁を持つ花とは異なり、花弁はほとんど目立たず、花のように見えるのはおしべのかたまりである。

化粧筆のようなおしべは、根元は白く先端に向かって淡いピンクのグラデーションが美しい。

めしべはその中央付近にあり、全体的に白い色をしている。

 

花のように見えるのはおしべ(6月に長崎市で撮影)



秋には平たい豆のような果実をつけ、中には10粒程度の種子が入っている。

落葉樹なので冬には葉を落とし、春には他の植物より遅くに新芽をだす。

 

ネムノキの果実(9月に諫早市で撮影)

 

落葉したネムノキ(4月に熊本県で撮影)



「この木なんの木 気になる木」で有名なハワイ諸島にある木(レインツリー)もネムノキの仲間だそうだ。

動画などをよく見ると、同じような花がついている。

この仲間は熱帯亜熱帯性の樹木で寒さには弱いらしい。

多くの種類が暑いところに分布しているが、唯一、ネムノキだけが寒さに強くなり本州以南の日本中に分布を拡げている。

 

 植物にも人間の目ではわからないが一本一本の木に個性があるそうだ。

ネムノキはそれがよくわかる植物で、花の色、花の大きさ、花の咲く時期が少しずつ異なっている。

私は花の色の微妙な違いが好きで、白っぽいものから赤っぽいものまでの色合いを毎年いろんな場所で楽しんでいる。

 

川面に咲くネムノキ(6月に佐世保市で撮影)

 

青空に映えるネムノキ(6月に雲仙市で撮影)

 


6月前後が花の季節なので今からが見ごろ。

この木は、日当たりのいい場所を好むので森の中にはなく、道路脇や河川敷など見晴らしのいい場所に生育している。

ドライブの途中、車の中から鑑賞してはいかがだろうか。

 

グランドの土手にあるネムノキ(6月に西彼杵郡で撮影)

 

河川の土手にあるネムノキ(5月に佐賀県で撮影、花はまだ咲いていない)