福山雅治さんの「クスノキ」という歌がある。
三王神社にある被爆クスノキのことが書かれている。
「我が魂は この土に根差し 決して朽ちずに 決して倒れずに ・・・・・」
本当に長崎の魂を込めたいい歌だなと思う。
何回も訪れた場所だが、福山さんの歌を聞いた後は、その場所でいつの間にかこのメロデイを口ずさんでしまう。
三王神社の被爆クスノキ(2013年11月、神社側から撮影)

三王神社の被爆クスノキ(2013年11月に撮影)

そんなクスノキについてまとめてみようと思う。
長崎市にも大きなクスノキはたくさんある。
諏訪神社や松森神社、大徳寺と数えればきりがないくらいだが、日本中を見てみると、巨大さにおいては上には上がある。
諏訪神社のクスノキ群(2025年10月に撮影)

松森神社の大グスの根元(2023年4月に撮影)

大徳寺の大グス(2015年3月に撮影)
日本一の巨樹は鹿児島県姶良市蒲生町の蒲生八幡神社の御神木として境内にそびえている。
昭和27年に国の特別天然記念物に指定された「蒲生の大クス」は、目通り幹周り(地面から1.3mの高さで測定)24.22m、樹高30mの堂々とした姿である。
日本一と認定されたのは、昭和63年環境省が実施した巨樹巨木調査の結果で、第二位は静岡県熱海市にあるクスで幹周り23.9mである。
クスは大きくなると中心部が腐れて空洞化することが知られている。
このクスも内部に巨大な空洞があり、畳八畳分にもなるという。
木の周りには柵が設けられ直接木肌に触れることはできないが、一カ所だけ木道が接近し、柵から手を伸ばせば木肌に触れるようになっており、その場所だけにコケが付いていない。
触れたいという思いは万人共通のようで、私も手を伸ばして触れさせていただいた。
蒲生の大クスのどっしりとした姿を間近で見ていると、まるで、大仏様(神社だけど)がこちらを見つめ話かけてくれるような気がする。
少しだけ木肌に触れさせていただき、そして想いをつぶやくと元気いっぱいになる。
私は4回ほどお目にかかりに行っているが、ぜひとも、一度は行って欲しいパワースポットだ。
蒲生の大グス(2024年2月撮影、鹿児島県姶良市蒲生町)

蒲生の大グス(2015年2月撮影、右の方にいる私と比べて欲しい)
蒲生の大グス(2015年2月撮影、木道が接している場所、ここから手を伸ばして木肌に触れた。中央のドアが8畳の空間の入り口)

それでは、長崎県一のクスノキはどこにあるのだろう。
長崎県一のクスノキは、島原市有明町の民家(森本寛樹氏宅地内)の庭にそびえている。
国道251号線を島原に向かって運転していると、大三東あたりで右手に遠くからでもこんもりと盛り上がった緑の塊が目に飛び込んでくる。
これが、通称「松崎の大楠」である。
現地の案内板には次のように記されている。
松崎の大楠(指定名 有明町の木樟)昭和33年6月5日指定
「この大楠は樹齢千年余り、幹まわり約13m、樹高約30.5m、枝ばり東西33m、南北約29mの巨木で、長崎県の天然記念物に指定されている。楠は、本州の中部以南から台湾を中心に分布し日本の樹木では幹まわりが一番大きくなり昔から神木として神社や寺などに植えられることが多い。民家内でこの様に大木になるのは珍しいと言われている。」
道路脇に入り口も設置され説明板も見える。
見学は自由にできるが、森本さんに一言言葉をかけてからの見学が望ましいと思う。
私はお留守だったので、側の家で庭いじりをされていた方に一言言って入らせていただいた。
駐車場もないので、これまた、近くの方に一言言って道路脇に止めさせていただいた。
日本一の蒲生の大グスは柵に囲われており直接触れることはできないが、この大木には触ることも抱きつくこともできる。これがすばらしい。
松崎の大グス(2021年10月撮影、民家の庭にある)

松崎の大グス(2017年10月撮影、左の人物と比べて欲しい)

大きな木が好きで、数多くの巨樹巨木を見て回り、触れさせてもらった。
大きな木には本当に神様が宿っていると思う。
そんな神様の木肌に触れているとすごいパワーを貰えたような気になってくる。
お隣の佐賀県には全国4位の「川古の大グス」や6位の「武雄神社の大グス」があり、これらも柵で囲われており触れることは難しい。
樹木を守るために柵で保護するのは大事なこと。
それでも、側にいるだけで感動してしまう。
長崎県の巨樹は柵で囲われているものはないので自由に触れ合うことができる。それがありがたい。
川古の大グス(2017年12月撮影)

武雄神社の大グス(2017年12月撮影、武雄神社の裏手、年老いた仙人が座っているように見える)

ちなみに、屋久島の縄文杉、今は、柵で囲われていて近づけないが、昔は自由に触れ合うことができた。
昭和46年ごろに九州最高峰の宮之浦岳に登った際、途中で縄文杉に出会い、抱きついて一周したことを覚えている。
神々しい姿と暖かい木肌のぬくもりは忘れることができない。